体がさびるってどういう事?よく耳にする抗酸化物質の役割とは?

食品や化粧品のコマーシャルで、「体がさびないためには抗酸化物質の○○が効果的」「○○を食べよう」といった表現を見かけます。「体がさびる」とはどんな状態で、「抗酸化物質」はどんな役目をするのでしょうか?

「抗」には、逆らう、防ぐ、反抗するといった意味があります。「酸化」はりんごを切ったら空気に触れて茶色くなったり、金属がさびたりする状態です。りんごの場合、りんごの中のポリフェノールが空気中の酸素と反応して変色を起こします。抗酸化物質とは、「酸化を防ぐ物質」ということになります。

では「体がさびる」とはどんな状態なのでしょうか?私達は、常に呼吸をして酸素を取り入れています。食品の栄養素からエネルギーを産み出す時に、その酸素の2%程度が「活性酸素」というものに変わります。活性酸素は、体内に侵入したウイルスや細菌と戦うため、強い攻撃力を持っています。

活性酸素は体に必要不可欠な物質ですが、増えすぎると体の細胞やDNAを攻撃して傷つけたり、脂質を酸化させたりします。活性酸素は外的な要因(ストレス・タバコ・排気ガス・紫外線など)で増加し、老化や様々な病気(がん・脳卒中・免疫機能の低下など)の原因になると言われています。

その活性酸素の働きを抑えるのが、抗酸化物質です。抗酸化物質には、ポリフェノールとカロテノイド、ビタミンがあります。(植物由来の成分のことを特に「フィトケミカル」などと呼ぶこともあります。)

ポリフェノールは、植物の色や苦みなどの成分です。本来は外敵や紫外線から植物自身を守るために存在します。ポリフェノールの代表的な物は、アントシアニン(ブルーベリー・赤ワイン)、イソフラボン、サポニン(大豆)、ルチン(蕎麦)、カテキン(緑茶)、タンニン(紅茶・ウーロン茶)、セサミン、セサミノール(ゴマ)、クロロゲン酸(コーヒー・茄子)、カカオポリフェノール(チョコレート・ココア)、ケルセチン(たまねぎ)、クルクミン(ウコン、しょうが)などです。カッコ内は多く含む食品名。

カロテノイドは、動植物の持つ赤や黄色の色素の事で、免疫力を高める効果があります。カロテノイドの代表的なものは、β-カロテン(緑黄色野菜・果物)、リコピン(トマト)、カプサイシン(トウガラシ)、アスタキサンチン(エビ・カニ・鮭)、フコキサンチン(海藻類)などです。

活性酸素を抑えるビタミンを「抗酸化ビタミン」といいます。ビタミンA(緑黄色野菜・レバー・卵)・ビタミンC(果物・野菜)・ビタミンE(ナッツ・かぼちゃ)などがこれにあたります。

これらの抗酸化物質を含んだ食品を摂る時には、量に注意する必要があります。例えば、カカオポリフェノールの比率が高いチョコレートは、普通のチョコレートよりも甘さは控えめですが、脂肪分が多いため、エネルギー量は高くなっています。「体にいいから」という理由で、普段の食事にプラスするのではなく、1日のエネルギー総量の中に取り入れるようにして下さい。

また、蕎麦やエビ・カニはアレルギーのある方もいるので気をつけて下さい。更に、服用している薬によって、相性が悪い食品がある場合があるので、心配な方は主治医か薬剤師に相談をして下さい。

抗酸化物質を効率よく摂れるというサプリメントも出ていますが、食品から摂る事も可能です。抗酸化物質を増やす事よりも、活性酸素を増す原因を作らないことが大切です。ポイントは、栄養バランスに気をつけ、暴飲暴食をしない、過剰な運動をしない、ストレスをためない、出来るだけ紫外線やタバコの煙に触れないなどです。いつまでも元気でいる為に、バランスのとれた生活を送りましょう。