野菜○個分の栄養、コレステロールゼロ、食品表示の数字マジック

「この健康食品はレタス○個分の食物繊維が入っています。」といった宣伝を見た事はありますか?栄養に関する知識があると「なぜレタスを選んだ?」と疑問に思います。

確かにグラム表示をするよりも身近な食品に当てはめる方が分かりやすいです。でも、それならばレタスでなくても・・と思うのです。今回はそんな食品表示の話題です。

身の回りにある食品を見ると、そこにも食品についての表示があると思います。例えば牛乳であれば、種類別名称、商品名、無脂乳固形分、乳脂肪分、原材料名、殺菌、内容量、賞味期限、保存方法、開封後の取扱、製造者所在地、製造者の他、公正というマークが表示されています。

また、栄養成分表示として、コップ1杯(200ml)あたりのエネルギー量、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム、カルシウムの量が表示されています。

この食品表示は、食品によって項目が違います。肉や魚・野菜などには産地が明記されます。肉は部位、魚は生食可能か・・・などの項目も入ります。アレルギー物質や食品添加物なども表示されます。

複数の材料を使っている場合は原材料と添加物を分けて、使用量が多い(重い)順に表示します。また、ラベルではなく売り場に表示されている場合も有ります。対面販売などで売り手に質問できる場合は表記を省略する場合も有ります。

先ほどの牛乳の場合は賞味期限でしたが、消費期限が書かれているものもあります。賞味期限は「この日までなら美味しく食べられるよ」という期間で、加工食品など比較的日持ちするものに付けられます。一方の消費期限は「この日までに食べてね」という期間で、弁当などあまり日持ちしないものに付けられます。最近では、製造日や時間を併記してある食品もあります。アイスクリームや塩・砂糖など、品質が劣化しにくい食品に関しては賞味期限が省略される場合も有ります。

食品に付けられている表示は「名刺」や「名札」のような重要な役割をしています。

さて、冒頭のレタスの話に戻ります。食物繊維の項目を見てもらうとわかると思いますが、レタスは食物繊維が特別多い食品ではありません。レタス1個分(可食部200g)の食物繊維は2.2gです。

この量の食物繊維をゴボウで摂ろうと思ったら、1本(200g)の1/5程度、納豆ならば1パック(40g)弱です。これでは、「わー、そんなに食物繊維が入っているからすごい!」と思ってもらえそうもありません。レタスは身近な食品で「○個分」という表現のインパクトが強いので使われるのでしょう。

もう1つ、最近目にするのが食用油やドレッシングの「コレステロールゼロ」という表示です。コレステロールは悪者だと思っている方が多く、「コレステロールがゼロならさぞかし体にいいのだろう」と思ったという話を聞きます。

実はコレステロールは悪い事をするだけではありません。体内の細胞膜やホルモンを作るのに必要な物質です。生活習慣病につながるのは血液に溶け込んだコレステロールで、肝臓からコレステロールを運び出すLDLを悪玉、コレステロールを回収して肝臓に運ぶHDLを善玉などと呼びます。

このコレステロール、植物性の食品にはほとんど含まれていません。厳密にいうとサラダ油で微量含むものも有りますが、オリーブオイルやゴマ油はゼロです。他の製品もコレステロールゼロなのに、あえてそれを表示してアピールするアイデアには脱帽です。

「レタス○個分」、「コレステロールゼロ」という表示で食品を選んでいた方をがっかりさせてしまったら申し訳ないです。どちらもウソではありません。ただ、数字のウラにある事実を知って欲しい事柄です。