カロリー計算の基本は地道な足し算、アプリを活用して簡単に!
テレビや雑誌には「この食品のエネルギーは何キロカロリー」といった情報が沢山あります。食品のパッケージにも表示されていますし、外食をする時のメニューに表記されている事もあります。これらの数値はどうやって求めているのでしょうか?
食品に含まれている栄養素の量は、実際にその食品を分析しているケースも有りますが、一般的には「食品成分表」を使って計算することが多いです。食品成分表は食品の成分を分析して、その食品100gの中に含まれる栄養素を細かく表示しているものです。食品数は1800品目以上、栄養素は約30(エネルギー量、3大栄養素、ビタミン、ミネラルなど)が載っています。ちなみに、よく使う「カロリー」という言葉はエネルギーの単位ですが、日常会話ではエネルギー(熱量)とほぼ同じ意味で使われる場面が多いです。
では、食品成分表で果物の「イチゴ」をみてみましょう。イチゴ5粒を測ったら80gだったとします。イチゴの100gあたりのエネルギー量は34kcalと表示されているので、80gに換算して27kcalとなります。そこにハチミツ7g、21kcal(小さじ1相当)と無糖ヨーグルト50g、31kcalをプラスすると79kcalになります。(端数は四捨五入)
多くの栄養素のうち、炭水化物、たんぱく質、脂質の3つを3大栄養素と呼びます。エネルギー量に関係あるのはこの3大栄養素(とアルコール)で、その他の栄養素は影響しません。3大栄養素にはエネルギー量を計算する際の係数があり、炭水化物4kcal/g、たんぱく質4kcal/g、脂質9kcal/gという数値を使います。
例えば食品成分表で無糖ヨーグルト80gの3大栄養素の量を見てみると、炭水化物2.5g、たんぱく質1.8g、脂質1.5gです。そこに先ほどの係数を掛けると2.5×4+1.8×4+1.5×9=30.7になり、31kcalとほぼ一致します。
上の例は材料が3つだけでしたが、日常の食事メニューにはもっと多くの材料や調味料が使われています。エネルギー量を計算するには、それらの材料の個別の重さが必要になります。調味料を測るときによく使う「大さじ」は容積が15ccで、醤油だと18g、砂糖・小麦粉は9gになります。(小さじは5ccで、重さはそれぞれ1/3です。)
ちなみに、栄養計算の対象になるのは食べられる部分の重さです。先ほどのイチゴはヘタをはずした重さです。殻付きの貝など可食部の重さを測りにくいものは、目安になる割合が載っています。また、使った量がわかりにくい揚げ物の油の場合は、「吸油率」という油を吸い込む割合で計算して求めます。基本的に、素揚げや衣が薄い物ほど吸油率が低く、衣が厚いフライなどは吸油率が高くなります。
このように、摂取エネルギー量を求める時は、食品成分表の数値と食材の重さから計算をして求める必要がありました。これを簡単にしたのがパソコンやスマートホンの「栄養(カロリー)計算」ソフトやアプリです。食品を選び、量を入力すると、それぞれの栄養素を計算してくれます。
特にスマートホン用のアプリは種類が多く、メニュー名を選ぶだけで栄養素を表示してくれるものや、食事日記のように写真付きで記録が残せるものもあります。更に、体重や運動量を管理する機能がある物もあります。
スマートホンは常に持ち歩く物なので、外食の際に写真だけ撮っておいて、後でゆっくり食事の内容を入力することもできます。無料の物も多いので、好みのものを探してみるのもお薦めです。(一部機能が有料の場合有り)便利な物は積極的に取り入れて、健康管理に役立てる事をお薦めします。