【栄養士のキモチ】栄養とカロリーのちょっと気になる関係とは?

理想の食生活は身近にあった!昔ながらの和食をもっと取り入れて

毎日の食事で栄養バランスのとれたメニューを作るにはどうしたらいいでしょうか?ここでは1日のエネルギー量が1,800kcalの場合(成人女性で活動量が少なめの方)の食品例をみてみます。

まず3大栄養素が多く含まれる食品です。炭水化物としてご飯茶碗3杯(150g×3)、脂質としてサラダ油などを大さじ1、たんぱく質として豚赤身肉薄切り2枚60g、(または鶏肉・牛肉)魚1切れ、鶏卵1個、牛乳100ml(またはヨーグルト)、豆腐1/3丁(または納豆1パック)を摂るのが目安です。(ご飯1杯はゆでうどん1玉か8枚切り食パン2枚に置き換えることもできます)

次にビタミン・ミネラル・食物繊維が多く含まれる食品です。緑黄色野菜100~150g(両手に1杯)、その他の野菜・キノコ・海藻200~250g(両手に2杯)、いも中1個、果物200g(両手の人差し指と親指で作った輪に入る位、みかんなら2個、りんごなら半分)を加えます。ここまでの食品で1,400~1,500kcal、更に調味料や嗜好品のエネルギー量が加わります。

これらの食品を3食に当てはめていくとバランスのとれたメニューを作る事が出来ます。皆さんならどんな風に組み合わせますか?どこかで不思議な組み合わせは生まれていないでしょうか?たった1日のことなのに意外に難しいと思った方もいると思います。

メニューを考える時には一汁三菜、もしくは主食・主菜・副菜・汁物というパターンを基本にすると組み立てやすいです。また、和食を中心にすると豆腐や納豆、海藻を使いやすいと思います。

例えば、朝食はトースト・ゆで玉子・カフェオレ・野菜サラダ・果物、昼食のお弁当は鮭と海苔が乗ったご飯・根菜の煮物・青菜とキノコのお浸し、夕食は肉巻き野菜(人参・いんげん)とジャガイモのソテー・豆腐とわかめの味噌汁・キャベツの浅漬け・ご飯などです。

3食とも主食が米でもいいし、麺類を取り入れても構いません。果物と乳製品は間食で摂る方法もあります。好みで中華や洋食メニューを取り入れても構いません。ただ、3食とも中華や洋食にするのは難しいと思います。どうしても脂質の使用量が増えてしまうからです。

和食は脂質が控えめなものが多く、野菜や海藻・大豆製品が多く使える利点があり、理想的な食生活を作りやすいです。毎日副菜まで作るのは大変・・・という方には常備菜を作っておく事をお薦めします。

例えば煮物です。ひじき・豆・おから・切干大根などバリエーションも豊富です。人参やいんげん、干しシイタケ、油あげなどを加えると見た目もカラフルで色々な栄養素がとれます。煮物はまとめて作って冷凍が出来ます。シリコンのカップに小分けにして冷凍しておけばそのままお弁当にも入れられます。(ただし、冷凍する場合にはコンニャクや白滝は入れないでください。)

もう1つ作り置きしたいのが漬物です。手ごろなのは浅漬けです。野菜に野菜の重さの2%程度の塩(昆布茶や塩昆布でも)をまぶしておけば半日程度で出来てしまいます。キャベツや白菜がお薦めです。生姜をプラスすると風味がいいです。

ぬか漬けもお薦めです。最近ではすぐに漬けられる状態のぬかを売っています。ぬか漬けは植物性の乳酸菌が豊富で、免疫力アップや便秘解消などの効果が期待出来ます。カブやキュウリなどと相性がいいです。ただし塩分も含むので食べ過ぎには注意して下さい。

漬物以外でも和食は塩分が多くなりがちなので、なるべく薄味を心掛けましょう。汁物は具沢山にして調味料を減らす、醤油をそのままかけるのではなく出汁で割る、薬味を効かせるなどの工夫をすると薄味でも物足りなく感じません。