【栄養士のキモチ】栄養とカロリーのちょっと気になる関係とは?

問題はその量!細かい計算をしなくてもいい食事量の目安を知ろう

「美味しいものが多くてつい食べ過ぎてしまう」「バランスのいい食事を摂りたいけれど、細かい計算は面倒」そんな声を耳にします。今回は、簡単な方法でバランスのよい食事量の目安がわかる方法を3つ紹介したいと思います。

まず1つ目は、「食事バランスガイド」という、1日の食事量をコマ(お正月にまわして遊ぶコマのことです)で表したものです。コマの本体、料理の部分は5層になっていて、上から、主食・副菜・主菜・牛乳と乳製品・果物になっています。多く摂りたい物ほど上に来ています。1日に必要なエネルギー量をこのコマに当てはめて、この層は5つ、こっちは3つといった数え方をします。例にあるものだけではなく、同じ層、同じ数の料理と置き換える事が可能です。(「SV」という単位を使う事も有ります)

コマの中心の軸の部分には水(お茶)をあてはめ、しっかり摂る事をすすめています。お菓子や嗜好品はコマの紐で表現し、「楽しみとして適度に」というメッセージがこめられています。また、コマが回っていないと倒れてしまうことで「運動が大切」ということを表しています。

この方法は、インターネットのホームページからポスターなどのツールをダウンロードできます。カラーで見やすくなっているので、年配の方にも使いやすいと思います。

2つ目は、「手ばかり」という、手のひらを量の目安にする方法です。手の大きさは老若男女様々でしょうが、自分の手のひらを目安にします。表を見ると、1日に摂りたい食品の量が載っています。

例えば、しっかり食べる物として、魚・肉・タマゴ・豆腐はそれぞれ手のひらの半分になっています。たっぷり食べるものとしては両手1杯の緑黄色野菜と両手2杯のその他の野菜(海藻・きのこ・コンニャクを含む)となっています。ほどほどに食べる果物は両手の人差し指と親指で作った輪に入る位となっています。その他、ご飯が毎食軽く1杯~1.5杯、じゃがいも中1個、牛乳コップ1杯となっています。(牛乳をヨーグルトに置き換えるなども可能です。)

気をつけたいものとしては、お菓子やお酒の目安量が載っています。例えばスナック菓子なら片手に載るくらい、ウイスキーなら親指の太さくらいとなっています。

こちらも、インターネット上で資料をダウンロードできます。最初に出てきた食事バランスガイドと連動している部分もあります。

3つ目は、「マイプレート」「お皿ツール」と呼ばれるものです。元はアメリカで提案された方法で、お皿を4分割して、野菜・果物・肉か魚・主食を4分の1ずつ載せるというものです。お皿の横には乳製品のコップが添えられています。

日本では、この「マイプレート」をアレンジして、「お皿ツール」という糖尿病の方向けの指導をしています。糖尿病の方はバランスよく適量に食べる事が大切なので、この方法は一般の方にもお薦めできます。

「お皿ツール」の考え方は、メインのお皿の1/2はでんぷんの少ないもの(野菜・海藻・きのこなど)、1/4がたんぱく質の多い物(肉や魚・大豆製品・タマゴなど)、残りの1/4がでんぷんの多い物(主食)というものです。そこに、小さい器の果物とコップ1杯の牛乳を添えます。

この方法はシンプルですが、とてもわかりやすいと思います。ワンプレートでカフェ風の盛り付けになるし、小さい器を並べれば和食にも応用できます。ただ、お皿が大きすぎては何にもならないので、注意して下さい。

以上、3つの方法を紹介してきました。気に行った方法、実践できそうな方法は見つかったでしょうか?毎日実行するのは大変でも、時々は思い出して目安量と比較してみるといいと思います。